久々に会えた友人と、とりあえず、お互い生きててよかったねと話した。切実に、今生きていることは薄氷の上だと思っている。
三年三ヶ月伸ばした髪を切って、寄付してきた。ヘアドネーションは人生二回目だ。私の髪は、病気で髪を失った人たちのためのかつらになる。
かつらがなくても患者さんが悲しまない世の中を作るべきであってかつらなんか作ってはいけないと暴論を吐く人もいるが、それは絶対に違う。かつらがなくても悲しまない世界を目指すなかでも、今この時にはやっぱりどうしてもかつらが必要だ、という人には行き渡るようにしなくてはいけない。傘なしで歩ける世界を作りたいからって今びしょぬれの人を放置してはならない。
幸い、なんの手入れもしなくともまっすぐ伸びる、持ち主と違って素直な髪質なので、どこかで誰かの役に立ってくれるはずだ。