中学二年生のとき、国語の課題に「読書ノート」というのがあった。指定されたお題に沿った本を読んで、それについて簡単な感想文を書く、というもの。お題以外の本の記録は「努力目標」という感じで、ほとんどの生徒はたぶん宿題になっている分だけ記録していたと思われる。私はたまたまこの、ノートに書く、という動作が大変気に入って、読んだ本を全部記録することにした。読了した日、タイトル、著者、出版社、出版年月日。感想は、課題の本はちゃんと書き、それ以外の本については書くこともあれば書かないこともあった。提出すると先生が余計なコメントをしてくるところだけは気に入らなかったが、一年間読んだ本を全て書き留め、百三十六冊が記録された。以降、課題ではなくなって、中学どころか高校も大学も卒業し、社会人になっても、私は読書ノートをつけ続けた。今年の四月でついに十七年目に突入する見込み。
昨年末に突如読書量がワッと増え、十二月と一月で合計四十冊読んだ。私の読書量にはかなり波があってこれは極めて多い部類に入る。いちいちきちんと読書ノートにつけた。ノートをめくると本を読んでいた時のことがふわりと思い出されて、読み返すだけでも楽しい。感想だけでなく気に入った文章を書き写したりもするから、忘れていた素晴らしい言葉に出会えることもある。こんなに長く飽きずに辞めずに続けられている趣味は他にない。似たような記録もので社会人になってから始めた展覧会ノートは半年も経たずにつけなくなってしまったから、読書とノートというのだけがなぜか私にとってはしっくりくる組み合わせだったらしい。
一気呵成に読んだ年末年始の読書のなかに、くどうれいんさんの「日記の練習」があり、これ、私もやりたい! と思ったがためにこのブログは始まった。記録魔というほどでもないものの、活字は大大大好物で、文章を書くのも好き。好きというより、書かずにはいられない。食べて出す。食事以外に、私にとっては活字がそうだ。だから彼女の真似をして日記をつけることにした。毎日じゃなくてもいい、と呟きながら始めたけれど、結局最初の一ヶ月は毎日書いた。
ほとんどツイッター(Xとは呼んでやらない)の延長のような短い日もあれば、思いついてだらだらと長文の日もあった。一応ルールとして、嫌なことは具体的には書かないことにした。後に残るもの、残そうと思って書くものだから、読み返した時わざわざ嫌な気持ちになることないもんね。結局それなりにぐちぐちしたことを書いた気もするが、今度読み返してそっと消しておくかもしれない。
このブログのタイトルを一ヶ月悩んでいた。なんかすごいかっこいい名前つけたい。と思っていたけど一向にかっこいい名前は思いつかなかった。大体書いてるのが私なんだからそんなにかっこよくはならないのである。読書を記録するノートが読書ノートと安直なのだから、日々を記録するノートは……というわけで、「ひびノート」とでも名付けておこう。いつかもっとかっこいい名前を思いつくまでは。