続々と梅が咲き出した。嬉しい。あっちでもこっちでも、ぽむぽむとした小さな花が咲いている。 まだ香るほどの本数ではないが、これが立春というものか、と思って暦の美しさにたまらなくなった。春。春は環境の変化についていけずに憂鬱になった思い出のせいで、ずっと苦手な季節だ。今年は今までで最も前向きな変化の春になる。春を好きになれますように。
母の家のリビングにキーボードがやってきた。叔母がいらなくなって置いて行ったらしい。ちょっと触ってみると、習い事をやめてもずっと弾いていた「エリーゼのために」だけは、途中まで、楽譜がなくても弾けた。鍵盤に触るのは実に十年以上ぶりだけれど、自分が思うより指が動いて驚く。私ってピアノを弾けるんだ、と気付いた一瞬、世界がきらきらっとしたように見えた。