わたしってまだ三十なってないんだ、なんでもできるじゃん、みたいな無敵感、と表裏一体の、もうすぐ三十にもなるのにまだなんにもできないじゃん、という無力感。一文字しか違わないんだな。
真夜中なのにインターホンの空耳。たぶん今のは夢。ほとんど眠りに落っこちかけたところから、夢の中の音によって現実に引き戻される。
知らない子どもと仲が良い夢を見た。仲良くなる、のではなく、夢の中の私は最初から彼と仲良しなのだ。少年の名前を思い出せない。幼稚園にも上がっていないくらいの小さな男の子。いつか出会ったのか、あるいはいつか出会うのだろうか。